科学的研究に基づいた熱中症予防とテニスのルール

こんにちは

この記事では、スポーツ中の熱中症予防の知識をシェアしたいと思います。

 

水分は取ったほうがいい、冷やした方がいいということは知っているけど

具体的にどれくらい飲めばいいのかという部分までは知らないという人のために

また、自分も記憶するためにシェアします。

 

今年も暑い日が続いているので出来る限り最新の正しい知識を使って

ベストパフォーマンスを発揮しましょう!

最後に熱中症に関わるテニスのルールについても照会します。

 

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photo credit: branestawm2002 Covent Garden, London, in Thermal Infrared via photopin (license)

 

 

水分補給と栄養補給

ドリンクの種類

  • 練習、試合前後では吸収の早さを考えて、スポーツドリンクを飲む。
  • 個人の好みもあるが薄める必要はない(スポーツを行う場合は)
  • 後味が嫌な人は最後の一口を水にする
  • 5〜15℃くらいの飲みやすいものがいい

飲むペース

  • 1回の水分補給は200〜300ml(コップ1杯)くらい
  • 練習、試合前の1時間で500ml飲む
  • 試合中、運動中は1時間あたり500〜1000ml
  • 試合後は発汗量の1.5倍摂取(発汗量は体重で)

タブレット

  • 普段では日本人は塩分を食べすぎなのでお菓子としては☓
  • 汗をかいた時は塩分が失われるので食べてオッケー

飲み過ぎ、飲まなすぎチェック

  • 体重でチェック:運動前後の体重測定で体重減少を3%未満に抑える。
  • 尿の色が濃すぎないかチェック

服装

  • 白い帽子をかぶる(黒い帽子は紫外線を弾くが、熱が 籠もる)
  • こまめに服を着替える。
  • こまめにタオルで汗を拭く。
  • 影が無い時は日傘を使って影を作る。

体の冷やす工夫

  • なんと手、顔()、足の裏を冷やせば効果的に深部体温を下げることが出来る(首や脇よりも)
  • 無理なく手をつけていられる程度のつめたい水(1015℃)5分から10分くらい冷やすのがいい。

 

練習中の休憩やコートチェンジの時に手や顔を積極的に冷やすべし

 

テニスのルール

  • 水はポイント間でも、取ってもルール的に問題なし。
  • コートの後ろに持っていってもいいけど転がってしまったときにポイントレットに出来ないのでベンチに置いとくほうが無難。
  • ロービングでルールを知らない人もいるので、邪魔されないように水もっていってもいいですかとか先に聞く。
  • ポイント間20秒はボーラーがいる時のルールなので、必要な時(ボールを取りに行く、汗を拭くなど)は時間を使っていい。故意にプレーを遅らせる目的で行うのはルール違反

 ※高体連や地域の試合によってローカルルールが存在するので、その大会のルールに従ってください。

 

参考文献

Wilderness Environ Med. 2015 Jun;26(2):173-9

Strength and Conditioning journal 7月号 スポーツにおける実践的暑さ対策とその応用

ITF 2018 rule of tennis

 

 

もっとスプリットステップからの動きの追求

こんにちは

 今日はスプリットステップについて追求する記事を書きたいと思います。

 

スプリットステップはフットワークにおいて非常に重要です。

 

展開の速いラリーや、サービスリターンでは最初の反応動作でのスプリットステップが間違っていると、その後の走力に自信があったとしても意味がありません。

  逆に走力がない人(足が遅い人)でスプリットステップが下手だとボールに追いつくチャンスはもうありません。

 

単純な動作なので、出来ている気になっているだけの人も多いと感じます。

もう一度スプリットステップについて深く考えてみることで上達出来ます。

 

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photo credit: Andrew Campbell Photography Caroline Wozniacki via photopin (license)

 

タイミングは本当に相手が打った瞬間に着地か

 あなたはスプリットステップのタイミングはいつだと習いましたか。

私は相手がボールを打った瞬間に着地とコーチに習いました。

 その時は小学生だったため、なんの疑問も感じずに言われた通りに意識して

練習していました。

 

しかし、私が今スプリットステップを教えるとするなら

「相手が打った直後に着地」とアドバイスします。

 

考えてみると着地の瞬間と相手のインパクトが同じということは

相手の打つコースが分かるのは着地した後です。

着地してからではスプリットステップの反動を上手く使えないと思いませんか。

 

なので着地した直後にどの方向に自分が動き出すのかを認識して、着地出来るとその後の動作がスムーズになるのは間違いありません。

 

しっかり説明しないとただのスプリットステップのタイミングが遅い人になってしまいますが、

スプリットは相手が打った直後(どっちに動くか判断できた直後)に着地です。

動き出しの始めの動きは?

 始めの動きはで重要なポイントは2あります。

それは倒れ込みと体のターンです。

短い距離を出来るだけ早く移動することは、陸上短距離のスタート動作を参考にするのがいいと思います。そしてテニスが陸上の動きと違う部分はゴールが360°どの方向の先になるのか直前まで分からないということです。

前後左右どの方向にも動ける準備をし、その後動く方向が決まった瞬間にその方向に対して陸上のスタート動作のように動くことが1番効率がいいと考えられます。

 

このような考えで、テニスのスタート動作において重要なのは陸上短距離のスタート姿勢を完成させるまでの橋渡し的な動きです。

それが動く方向への倒れ込み(重心移動)と体のターン(その方向へ体を向ける)です。

 

1歩目の蹴り出しの足は?

 倒れ込みと体のターンが出来たらあとは陸上の動きを参考にスタートダッシュを極めましょう。

速く走る方法についてはこちらの記事でシェアしています。

tatennisku.hatenablog.com

 

まとめ

単純な足の速さに加えて、スプリットステップから走る動作に移行する部分に焦点をあてる必要がある。

  • スプリットを踏むタイミングをもう一度考える

 

 

テーピングの効果はどれくらい持続するのか

こんにちは

今回はテーピングについての知識をシェアしたいと思います。

 

みなさんはテーピングやサポーターをしたことはありますか?

スポーツをしている方は捻挫などで使ったことがある方も少ないのではないと思います。

しかしテーピングにも貼ってから剥がすまで固定力が続くわけではないのはご存知ですか?

いくつかテーピングの持続時間についての論文を探してきたので紹介します。

 

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photo credit: wuestenigel Massage via photopin (license)

 

 テーピング(非伸縮)とサポーターの効果持続時間について

バスケットボール選手を対象に足首のテーピング、サポーターの効果持続時間について研究した論文があります。

・運動時間が経過するほど、テーピング(非伸縮)、サポーターの固定力はどんどん弱まっていく。

・テーピング(非伸縮)とサポーターの持続時間は30分から40分ほどの運動後でも何もしない場合を比べて固定力はあったという研究が多い。

・装着直後はテーピングの方が固定力は高いが時間が経過すると、その固定力は同じになっていた。

 

テーピング、サポーターを着けてからの時間による固定力の変化は

運動直後の固定力   テーピング>サポーター

10分から20分の運動後  テーピング=サポーター

という感じです。

 

現場での応用

・短い時間で瞬発的な運動を行う場合にはサポーターよりテーピングを使った方がいい。

・競技時間が長い場合は、サポーターの方がいいである。

・経済面の問題がないならテーピングは40分くらいで巻き直すと高い効果が持続する。

 

伸縮テープについて

キネシオテープなどの伸縮テープについては別で考える必要があります。

キネシオテープの様々な先行研究では

・スポーツではない日常の痛みではテーピングによる痛みの軽減がみられ、それは1日から4日ほど持続することが示されている。

・太ももにテーピングをして実験した研究では24時間から72時間、効果が持続して

24時間の時点が最も効果が高かったと報告しています。

 

運動中の効果を研究したものでは、

伸縮テープを足首に貼付し、サッカーのインステップキックを繰り返し行った研究があります。

運動前、50回キック反復後、100回キック反復後で可動域を測定した結果は

・50回キック反復後に貼付なしと同等程度の可動域まで固定力が下がった。

・100回反復後は50回反復後と可動域はほぼ変わらなかった。

というものでした。

 

 

現場での応用

・伸縮テーピングも効果はありますが、持続時間に限界があることを知っておく必要がある。

・マッサージや治療を行ってもらったあとの治療効果を長持ちさせるためや、日常生活の痛みを軽減させる効果は4日ほど持続するが、スポーツなど激しい動きをする場合には比較的速いタイミングで効果は泣くなる。

 

まとめ

・短い時間で瞬発的な動きをするときには、非伸縮テーピングで!

・比較的長い時間スポーツを行ったり、長い期間の固定が必要な場合はサポーター

・伸縮テープにも効果の持続時間に限界があり、日常生活では約4日まででスポーツでは比較的短い時間で効果はなくなる。

 

 参考文献

大網華奈, 木葉一総, & 藤田英二. (2015). 女子バスケットボール選手での競技動作を模した運動時における足関節テーピングの持続性について.

加藤茂幸, & 佐藤三矢. (2007). バスケットボール競技における足関節テーピング及び装具の制動力の持続性について. 吉備国際大学保健科学部研究紀要, (12), 45-49.

佐藤正裕. (2003). 足関節内反捻挫予防のテーピングおよび足関節装具の固定力の持続性について. 北里理学療法, 6, 73-76.

吉田一也. (2012). キネシオテーピング® の理論と基本貼付法. 理学療法科学, 27(2), 239-245. 

Fu TC, Wong AM, Pei YC, et al.: Effect of Kinesio taping

on muscle strength in athletes-a pilot study. J Sci Med Sport,2008, 11(2): 198-201.

笹代純平, 浦辺幸夫, 前田慶明, 篠原博, 藤井絵里, 高井聡志, & 森山信彰. (2012). インステップキックの反復による足関節底屈制限のテーピングの持続効果. In 理学療法学 Supplement Vol. 39 Suppl. No. 2 (第 47 回日本理学療法学術大会 抄録集) (pp. Cb1393-Cb1393). 公益社団法人 日本理学療法士協会.

 

時間がないならストレッチはしなくていい ストレッチ3:筋トレと可動性トレーニングで柔軟性向上

ストレッチシリーズの第3弾です。

 

第二弾まででストレッチはケガ予防になるかも定かではなく、ストレッチの即時的な効果はわずか6分程度しか持続しないことも紹介しました。

 

また長期的な(最低4週間)ストレッチは柔軟性を増大させることが分かりましたが、まず柔軟性が上がるとパフォーマンスが上がるのかという問題が明らかでないとストレッチをする意味がなくなったり、悪影響である場合でさえあります。

実際に柔軟性がありすぎるとケガが増えたり、柔らかさを安定させるために筋力が使われて運動効率が落ちるということも分かっています。

 

今回は、今まで紹介してきたいろいろな情報を含めて

具体的にどう現場に落とし込むのかという所に焦点をおいて説明していきたいと思います。

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>photo credit: FotoDB.de Stretching via photopin (license)

 

ストレッチの悪影響

柔軟性があるとケガが増え、パフォーマンスが落ちる

一般的に柔軟性があると関節のキャパが増えてケガが予防できると考えることが出来ます。しかし柔軟性が高まりすぎると運動中に越えては行けない可動域を使ってしまい関節への負担が増えてケガの受傷率が増えてしまうということがあります。

必要な柔軟性は競技によります。柔軟性が必要な競技の例として、体操があります。

体操は柔軟性があることでなめらかな動きや驚異的な体制での動きを行うことができます。

柔軟性が低いほうがいい場合を挙げるなら、ランナーは柔軟性が低いほうが硬さが反発力となり、効率的な走りが出来ます。

 

最大可動域を使う筋トレで可動域は上昇する

筋トレをすれば柔軟性は低下すると考えている方も多いと思いますが、筋トレをすれば関節可動域は向上します。関節可動域全体を使った筋トレを行なった場合に関節可動域が維持、改善されたという研究があります。

ストレッチをするより最大可動域を筋トレをしたほうが柔軟性が改善されるということではありません。だた筋トレで柔軟性が制限されることはないことが分かったということです。

柔軟性を改善したいが、筋トレ、練習もしなければならずなかなかストレッチに時間が取れないという時には筋トレの中に最大可動域を使う筋トレを組み込むと問題が解決するかもしれませんね。

 

ジュニアにはストレッチではなく、ファンクショナルトレーニングで可動域UP

上の話と重なる部分もありますが、ストレッチは結構時間を取られます。日中は学校に通っているジュニアがほとんどで、学校の部活でスポーツしている方はストレッチをする時間がないと思っている方も少ないと思います。柔軟性も大切ですが、もちろん競技練習をしたほうがパフォーマンスが上がる可能性は高いですよね。

そんな時はウォームアップなどで可動域を大きく使ったファンクショナルトレーニングを行うことで可動域を高め、新しい動きを学ぶことで身体を思い通りに動かせる様になり、ファンクショナルな動きを学べば効率の良い体の使い方も分かるのでおすすめです。

実践編

ウォームアップは大筋群とダイナミックストレッチと競技特異的トレーニング

ウォームアップは周りと差をつけるチャンスです。多くの人はウォームアップはランニングをしてストレッチをしないと行けないと考えています。しかし実際は身体を温めることが出来ればそれでいいのです。そのことが分かればウォームアップの選択肢は広がりますよね。

 

例えばランニングの代わりに鬼ごっこをすることで、反応を鍛えるトレーニングも兼ねることができますよね。

ダイナミックストレッチも一般的なものから、競技で使う動きを行えばウォームアップしながら競技練習も出来すよね。

 

実際スペインのフットサルチームはウォームアップでミニゲームを行なっていました。

 

tatennisku.hatenablog.com

 

研究によると

2〜3分間大筋群を使う運動(ランニング,鬼ごっこ)を行い、そこから競技の動きを使ってのストレッチを行い、競技特異的なスキルを取り入れていくのがよいとされています。

またウォームアップ後15分以内にスポーツを開始出来るようにした方がいいです。

 

クールダウンは軽いランと気持ちを落ち着けるための静的ストレッチ

 クールダウンは身体と気持ちを落ち着けて、スイッチオフに持っていくことが必要なので、まずは軽いランニングで軽く血流を良くしながら運動強度を下げていきます。その後時間があれば静的ストレッチで疲労が溜まった部分、改善したい部分をケアするのが良いでしょう。

 

ぜひストレッチ、ウォームアップ、クールダウンを見直してみてください。

  

 

参考文献

NSCA japan 資料集  ストレッチング

これを守らないと意味がないストレッチ2:時間・頻度編

この記事では、ストレッチについてどれくらいの時間、頻度を行えばいいのか

について知識をシェアしたいと思います。

 

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photo credit: FotoDB.de Stretching via photopin (license)

 

先に結論

ストレッチを行う際に正しい知識がないと無駄な時間を過ごすことになるかもしれません。とりあえず先に結論から言います。

 静的ストレッチは

延ばしたい筋肉1つに対して、30秒保持するストレッチを1日最低1回ずつ、最低4週間継続!

これが現在、科学的に論文で示されていることです。

 

とりあえず柔軟性を高めたい場合には最低限上記のことを守れば効果が出ることが明らかにされています。

 

さらに効率良くストレッチを取り入れたい方に、

ここから詳しい注意点を幾つか紹介していきます。

 

注意点

単発的な静的ストレッチの持続時間は6分

15秒間、90秒間、30秒×4回の3パターンで行なった静的ストレッチを行なって、そのストレッチ効果の持続時間を調べました。その結果、ストレッチの持続時間は6分でした。

1回の静的ストレッチの時間は30秒が最適

15秒の静的ストレッチと30秒の静的ストレッチを行い効果を比較した研究がありました。15秒の場合も,30秒の場合も効果は認められたが、15秒の場合の方が効果は少なく、60秒と30秒のストレッチに効果の差は無かった。

また別の研究では15秒と2分のストレッチは同様の効果があるとされ、

連続30秒である必要はない

5秒のストレッチを休息を挟んで行なった場合も合計のストレッチ時間が変わらなければストレッチの効果が落ちることは無いと幾つかの研究で示されています。

期間は4週間でも8週間でも変わらない

他の条件は同じで、ストレッチを4週間行なった場合と8週間行なった場合ではストレッチの効果は変わらないという研究があります。

静的ストレッチは運動の直前以外に適宜行うのがよい。

運動直前のストレッチは、一時的に筋力を低下させると示唆されています。また傷害のリスクを減らすことについても明確な効果は明らかにされていない。

 

まとめ

  • ストレッチは一般の方にも、スポーツ界にも広まっているが

まだまだ研究途中の部分が多い。

  • 静的ストレッチをする時のポイントは

延ばしたい筋肉1つに対して、30秒保持するストレッチを1日最低1回ずつ、最低4週間継続!

 

 現状は効果があるとされているが、この先は効果がないとされる可能性もある。

疑問に思ったことは信頼できるトレーナーに聞いたり、調べてみてください。

 

次の記事では、

ある条件を守れば筋トレでも可動域が改善することなど

ストレッチの効果のみならず、ストレッチは必要なのかというところの話をして

具体的に現場にどう落とし込むのかについて紹介したいと思います。

 

参考文献

NSCA japan 資料集 ストレッチング

 Herbert RD, de Noronha M, and Kamper SJ. Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise. Cochrane Database Syst Rev CD004577, 2011.

間違えるとパフォーマンスが落ちる!?ストレッチ1:種類編

この記事ではストレッチの基礎的な知識について共有して行きたいと思います。

ストレッチシリーズ第一弾です。

 

ストレッチは多くの方が行っていると思いますが、なんとなくやっている人も少なくないと思います。

少しでも良い効果を出すために、ストレッチの知識を正しく学びましょう!

 

 

ストレッチシリーズの第一弾は、

ダイナミック(動的)ストレッチとスタティック(静的)ストレッチについて説明します。

 

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photo credit: FotoDB.de Stretching via photopin (license)

 

 

最初にビッグニュース

ストレッチは運動前にすることでケガの予防(受傷率の低下)になると思っていませんか

運動後に行うことで翌日以降の筋痛の緩和につながると思っていませんか

なんとこれらに関しては効果が科学的に明らかになっていません。

効果がないとまでは言いませんがまだよく分かっていないのです。

 

これからストレッチについて少し説明しますので、現時点での正しい知識をつけて理解した上でストレッチを行なっていきましょう。

 

ストレッチの種類

まずストレッチには大きく分けて2つに分けられます。

それは、ダイナミックストレッチスタティックストレッチです。

 

同じストレッチでも2つストレッチの効果、目的は同じではありません。

簡単に説明するとダイナミックストレッチは動きながら行うのでウォームアップ向き

スタティックストレッチは止まってゆっくりとした動作で行うのでクールダウン向きです。

 

それでは、一つ一つ解説していきます。

ダイナミックストレッチ

動きの特徴

ダイナミックストレッチとは比較的短い時間のストレッチを繰り返して動きながら行うものです。代表的なものはサッカーのブラジル体操などがあります。

 

テニス界でも行われています。下の映像はシャラポワがウォームアップで行っているものです。

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メリット

 まずはストレッチなので可動域を上げる効果がありますがイメージとしては、既に持っている自分の可動域を引き出す感じです。すればするほど可動域が広がっていくものではないので注意が必要です。

 ダイナミックストレッチのいい部分は、動きながらのストレッチなので心拍数が上がって身体が温まってきます。これから運動する人にとってこれは大きなメリットです。

 また、心拍数が上がると交感神経が優位になるので精神的にもやる気スイッチが入りやすいと思います。もちろん興奮しすぎもよくありませんが。

デメリット

デメリットとしては、交感神経が優位になるので身体をスイッチオフに持っていきたいクールダウンには向いていません。

それとさっきも書きましたが、今以上に可動域が広げる目的で行うものではないので

開脚がでペタッと地面に着きたい(今まで着いたことない)みたいな場合はダイナミックストレッチの目的とは違って来ます。

 

スタティックストレッチ

動きの特徴

 スタティックストレッチは、名前の通り同じ形でゆっくりと一定時間ストレッチしていくものです。

この写真の人のストレッチの方法もおそらくスタティックストレッチですね。

同じような形でも反動をつけるものはダイナミックストレッチに分類されるのでそこは注意ポイントです。

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photo credit: FotoDB.de Stretching via photopin (license)

メリット

メリットとしては、スタティックストレッチは関節可動域を広げる効果があります。

またゆっくりとした動作を行うことで、副交感神経が優位になり精神的にも運動モードからリラックスモードに切り替えることが出来ます。

また長期的なストレッチング(ウォームアップではないもの)は垂直跳びやランニング速度などのパフォーマンスを向上させることも分かっています。

デメリット

デメリットとしては、運動直前にスタティックストレッチを行なった場合は運動パフォーマンスが低下します。

また一度ストレッチを行なった場合そのパフォーマンス低下の効果が持続するのは1時間程度のようです。 

 

 

まとめ

ダイナミックストレッチ、スタティックストレッチについて説明しました。

やればいいというものでもなく場合によっては悪影響を及ぼすことを理解した上で

慎重にストレッチを行なっていくことが必要です。

みなさん勉強、仕事で忙しいと思うので効率良くやっていく必要があると思います。

 

第二弾は具体的な時間について

何秒やればいいの?週どれくらいすればいいの?という所を説明したいと思います。

 

以上です。ありがとうございました。

 

参考文献

NSCA japan S&C資料集 ストレッチング

ジュニアが自ら考えるべきか、言うことを聞かせるのか

この記事では、ジュニア選手のコーチングについて書きます。

 

ジュニア選手には自分で考える力を養うことが重要です。

しかし自分で考えられる様になるのを待っていると、スパルタで詰め込まれている

選手とくらべて出遅れてしまう可能性があります。

 

どんな関わり方がベストなのか考えて行きましょう。

 

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photo credit: motox810 Los Alamitos vs Westview via photopin (license)

 

 

 自分で自分のコーチになる必要性

自己解決能力は非常に重要です。

特にテニスは試合中のコート上では1人で考えなくては行けません。

 

練習においても、学校の部活でプレーしている人や、テニススクールの集団レッスンを普段受けている人は、コーチや監督はちょっとしたアドバイスや、全体として足りていない所を指摘してくれるだけで、全部面倒を見てもらえるわけではありません。

 

プライベートレッスンで、フルタイムのマンツーマンレッスンを受けている人以外は

自分で自分のコーチになり、自分のテニスをマネジメントしないといけないのです。

 

しかし、ジュニア選手にとって自分で自分をマネジメントすることは、

年齢が小さければ小さいほど難しいことは言うまでもありません。

親御さんが上手く出来れば良いですが、それにはコーチと同等の知識、経験がないと

難しいところがあると思います。

 

 ジュニア自ら考えるのを待つコーチン

 出来ることならジュニアが自分で考えてコーチと意見を言い合いながらコミュニケーションが取れるのがベストですよね。しかしコーチがそのコンセプトで行なったとしてもジュニアが考える事が出来なければその状況は作れません。

 

実際の現場では、「考えて、考えて」とジュニアに向かって毎日の様に口にしていますが、考えることが出来る子は元から考えれるし、考えれない子は言われても考えれない。そんな状況を感じます。

 

目指すのは「ジュニア自身が考えて物事に取り組めるようになること」だと思います。

その目標だけを示すのではなく、その目標に対してどんな風に向かっていけば良いのか道標を示す。そこがコーチ、親、サポート勢の腕の見せどころではないでしょうか。

コーチの言うことを聞かせて詰め込むコーチン

上で述べた「道標を示すこと」の意味を履き違えると、怒鳴ってばっかりや態度のでかい指導者になると思います。

 

 なんでもコーチの言うとおりにさせて、子供の考えるスキを与えない指導という方法でジュニア育成をしているテニススクール、アカデミーは少なくないと思います。コーチの思い通りにならないことは、怒鳴って無理やり言うことを聞かしておとなしくさせることは短期的には効果があるように見えるでしょう。

100万歩譲って、コーチの指導内容が理にかなったことであれば、一次的に試合で成績が出ることもあるかもしれません。

 

しかしそれではジュニアは自分で物事を判断せずに怒られないように行動するだけで、自分で考えることをしなくなってしまいます。

そうやって教えられた子供は自分で考えながら得た経験ではないので、言われたことしか出来ません。もし言ってくれる人がいなくなった時(社会人になった時)には何も出来ない人になってしまいます。

 

やはり頭ごなしに怒る、指導者への返事は「はい」しか受け付けない。

こんな指導は指導じゃありません。そんな指導者なら居ないほうがマシです。

 

もしそんな指導を受けたジュニアが大人になって指導者になってしまったら

負の連鎖は止まりません。やはり人間は自分が通ってきた道を正当化しがちです。

経験していないことをするのは難しいです。

一緒に考える

ここまでで書いたことを踏まえて、僕が考える理想のコーチングは

テニスというスポーツに取り組む中で立ちはだかる様々な壁を、一緒に考えながら乗り越えていく、1人で乗り越えようとして失敗してみる、最後には1人で乗り越えれる様になる」

というものです。

 

何より強調したいのは「共に考える」ことです。

勝手に考えさせてやらすことではなく、全部こっちの思い通りにやらすことでもなく

協力者として寄り添っていくことが人間としての成長において非常に重要だと考えます。

そうすれば人と関わる上での本質的な部分「思いやりや気遣い」を学ぶことが出来るんじゃないでしょうか。