ジュニアが自ら考えるべきか、言うことを聞かせるのか

この記事では、ジュニア選手のコーチングについて書きます。

 

ジュニア選手には自分で考える力を養うことが重要です。

しかし自分で考えられる様になるのを待っていると、スパルタで詰め込まれている

選手とくらべて出遅れてしまう可能性があります。

 

どんな関わり方がベストなのか考えて行きましょう。

 

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photo credit: motox810 Los Alamitos vs Westview via photopin (license)

 

 

 自分で自分のコーチになる必要性

自己解決能力は非常に重要です。

特にテニスは試合中のコート上では1人で考えなくては行けません。

 

練習においても、学校の部活でプレーしている人や、テニススクールの集団レッスンを普段受けている人は、コーチや監督はちょっとしたアドバイスや、全体として足りていない所を指摘してくれるだけで、全部面倒を見てもらえるわけではありません。

 

プライベートレッスンで、フルタイムのマンツーマンレッスンを受けている人以外は

自分で自分のコーチになり、自分のテニスをマネジメントしないといけないのです。

 

しかし、ジュニア選手にとって自分で自分をマネジメントすることは、

年齢が小さければ小さいほど難しいことは言うまでもありません。

親御さんが上手く出来れば良いですが、それにはコーチと同等の知識、経験がないと

難しいところがあると思います。

 

 ジュニア自ら考えるのを待つコーチン

 出来ることならジュニアが自分で考えてコーチと意見を言い合いながらコミュニケーションが取れるのがベストですよね。しかしコーチがそのコンセプトで行なったとしてもジュニアが考える事が出来なければその状況は作れません。

 

実際の現場では、「考えて、考えて」とジュニアに向かって毎日の様に口にしていますが、考えることが出来る子は元から考えれるし、考えれない子は言われても考えれない。そんな状況を感じます。

 

目指すのは「ジュニア自身が考えて物事に取り組めるようになること」だと思います。

その目標だけを示すのではなく、その目標に対してどんな風に向かっていけば良いのか道標を示す。そこがコーチ、親、サポート勢の腕の見せどころではないでしょうか。

コーチの言うことを聞かせて詰め込むコーチン

上で述べた「道標を示すこと」の意味を履き違えると、怒鳴ってばっかりや態度のでかい指導者になると思います。

 

 なんでもコーチの言うとおりにさせて、子供の考えるスキを与えない指導という方法でジュニア育成をしているテニススクール、アカデミーは少なくないと思います。コーチの思い通りにならないことは、怒鳴って無理やり言うことを聞かしておとなしくさせることは短期的には効果があるように見えるでしょう。

100万歩譲って、コーチの指導内容が理にかなったことであれば、一次的に試合で成績が出ることもあるかもしれません。

 

しかしそれではジュニアは自分で物事を判断せずに怒られないように行動するだけで、自分で考えることをしなくなってしまいます。

そうやって教えられた子供は自分で考えながら得た経験ではないので、言われたことしか出来ません。もし言ってくれる人がいなくなった時(社会人になった時)には何も出来ない人になってしまいます。

 

やはり頭ごなしに怒る、指導者への返事は「はい」しか受け付けない。

こんな指導は指導じゃありません。そんな指導者なら居ないほうがマシです。

 

もしそんな指導を受けたジュニアが大人になって指導者になってしまったら

負の連鎖は止まりません。やはり人間は自分が通ってきた道を正当化しがちです。

経験していないことをするのは難しいです。

一緒に考える

ここまでで書いたことを踏まえて、僕が考える理想のコーチングは

テニスというスポーツに取り組む中で立ちはだかる様々な壁を、一緒に考えながら乗り越えていく、1人で乗り越えようとして失敗してみる、最後には1人で乗り越えれる様になる」

というものです。

 

何より強調したいのは「共に考える」ことです。

勝手に考えさせてやらすことではなく、全部こっちの思い通りにやらすことでもなく

協力者として寄り添っていくことが人間としての成長において非常に重要だと考えます。

そうすれば人と関わる上での本質的な部分「思いやりや気遣い」を学ぶことが出来るんじゃないでしょうか。