テニスでプロになるには(ITF juniorの話)
この記事では、プロテニスプレーヤーになるにはどうすれば良いのか書きたいと思います。
みんな口をそろえて言うのはプロの世界は厳しい。
体験したことがない人が大半なのに何の根拠があってそんなことが言えるのでしょうか。
実際、どうして厳しいのか、どれくらい厳しいのか具体的に言えますか
しっかり知れば思ったほど厳しくない可能性もありますよ。
多くのプレーヤーは目指すことすら出来ていない
テニススクールや部活でテニスをしている子供はみんなテニスがうまくなりたいと思っていると思います。
そしてテニスが最高レベルに上手く、強くなった先にあるのは、テニスを仕事としてご飯を食べていくことが誰でも想像できると思います。
つまり多くのテニスプレーヤーが目指すのはプロテニスプレーヤーです。
僕も小学校でテニスを始め、世界のトップ選手の試合をテレビで観て、プロテニスプレーヤーにあこがれてテニスをしてきました。
しかし、思い返してみるとどうすればプロになれるのかも知らず、調べることもせず
とりあえず目の前の練習を頑張って、目の前の試合で結果を残せばいつかは、グランドスラムの舞台が目に入ってくるんじゃないかとぼんやりと想像しながら毎日練習していました。
頑張っていても方向性を定めることを怠っていました。
プロへの一番シンプルかつ王道ルート=ITF
最近は少しずつ知ってる人も増えてきていますが、
世界的にみてプロテニスプレーヤーを目指す一番のオーソドックスな道は
ITF juniorに参戦することです。
ITF juniorとは
ITF juniorについて説明します。
ITF juniorは13〜18歳なら誰でも出場できる大会で、毎週世界中のどこかで大会が開催されています。もちろん日本でも開催されます。
大会のレベルはグレードで別れています。
簡単に言うと上から
グレードA (グランドスラムジュニア、オレンジ・ボウル)
グレード1
グレード2
グレード3
グレード4
グレード5
という順番に大会のレベルが設定されていて
グレードが高いほどもらえるポイントも多いです。
世界ジュニアランキング
プロと同じく大会で勝ち上がるとITF juniorポイントがもらえて世界ジュニアランクに反映されます。
このランキングで上位200位から300位に入ればグランドスラムジュニア大会出場が見えてきます。
簡単に説明すると
直近の1年の中でポイントを獲得した大会の内上位6大会のポイントの合計でランキングが決まります。
ダブルスで獲得したポイントは4分の1にして加算されます。
どうすれば出場出来るのか
参戦する大会を決める
http://www.itftennis.com/juniors/home.aspx
ITFのサイトでいつどこで大会が開催されているのか探します。
Fact sheetのところをチェックすると、予選、本戦の日程など詳細が分かります。
エントリー
エントリー(申し込み)はITFのサイトからオンラインで行います。
英語ですが指示に従えば出来ます。
しかしエントリーしたから必ず試合に出場できるかは分かりません。
次をしっかり読んで下さい
Acceptance list(アクセプタンスリスト)をチェック
ここにその大会にエントリーしたプレーヤーのリストが表示されます。
申し込んだ順ではなく、ITF juniorランキングが高い順に並んでおり、
上から何人までは本戦から出場できます。
さらにそこから何人までは予選から出場できます。
その下(alternates)に名前が並んでいる場合はその時点では出場できません。
申し込みや出場辞退によってリアルタイムでリストは変化するので、
出場できるのかしっかり見極める必要があります。
実は大会開始直前にAlternatesに入っていても、Alternatesの中で上の何番目かであれば
試合会場にさえいれば繰り上がりで出場できることも普通にあります。
これは去年の大会の傾向や、コーチの経験で判断するしかありませんが^^;
会場にいってサイン
試合が始まる前日にちゃんと会場に来ましたよと証明するためにサイン(署名)という作業があります。そこでサインをしてエントリー料金をはらいます。Factsheetに書いてますが日本円で5000円くらいでその国の通貨か、ドルで払います。
試合開始
ここまで出来ればあとは試合です。
試合は基本、シングルスだけなら1日1試合で約1週間掛けて決勝まで行います。
その他
海外なら、パスポート、飛行機、ホテル、帯同コーチの手配などが
を準備しないと行けません。
日本の現状
日本は島国なので、大陸に住む人たちに比べて国境を超えることに大きなハードルを知らず知らずの内に感じている気がします。
そして日本は環境面やシステムなどで様々な面で整っていると思います
そのため国内にずっといても、 大会も豊富にあるし全国大会を目指して頑張ることが出来ます。充実していていると何かが足りていないと感じることが少なくなります。
すると、誰でも世界に出れることや、国内外を含めて強くなる方法など
自分が見えていない部分に目を向けるチャンスが失われます。
そして気づいたときには時既に遅しになります。
一生気づかずに、自分には才能が無かったと思い込みながら死んでいく人もいるかもしれません。
まとめ
テニスでプロになる方法について書きました。
ぼくはテニスを頑張ってきましたがこのシステムに気づいたのは大学でコーチの仕事に関わってからでした。
この記事をみて、チャンスがある内に気づいて
少しでもプロテニスプレーヤーを夢見る子供の希望が広がれば嬉しいです。
帯同コーチとして活動していますので、何か分からないことがあれば
相談に乗ります。