テニスでプロになるには(ITF juniorの話)

この記事では、プロテニスプレーヤーになるにはどうすれば良いのか書きたいと思います。

 みんな口をそろえて言うのはプロの世界は厳しい。

体験したことがない人が大半なのに何の根拠があってそんなことが言えるのでしょうか。

実際、どうして厳しいのか、どれくらい厳しいのか具体的に言えますか

しっかり知れば思ったほど厳しくない可能性もありますよ。

 

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多くのプレーヤーは目指すことすら出来ていない

 テニススクールや部活でテニスをしている子供はみんなテニスがうまくなりたいと思っていると思います。

そしてテニスが最高レベルに上手く、強くなった先にあるのは、テニスを仕事としてご飯を食べていくことが誰でも想像できると思います。

つまり多くのテニスプレーヤーが目指すのはプロテニスプレーヤーです。

 

僕も小学校でテニスを始め、世界のトップ選手の試合をテレビで観て、プロテニスプレーヤーにあこがれてテニスをしてきました。

 

しかし、思い返してみるとどうすればプロになれるのかも知らず、調べることもせず

とりあえず目の前の練習を頑張って、目の前の試合で結果を残せばいつかは、グランドスラムの舞台が目に入ってくるんじゃないかとぼんやりと想像しながら毎日練習していました。

 

頑張っていても方向性を定めることを怠っていました。

プロへの一番シンプルかつ王道ルート=ITF

最近は少しずつ知ってる人も増えてきていますが、

世界的にみてプロテニスプレーヤーを目指す一番のオーソドックスな道は

ITF juniorに参戦することです。

ITF juniorとは

ITF juniorについて説明します。

ITF juniorは13〜18歳なら誰でも出場できる大会で、毎週世界中のどこかで大会が開催されています。もちろん日本でも開催されます。

 

大会のレベルはグレードで別れています。

簡単に言うと上から

グレードA (グランドスラムジュニア、オレンジ・ボウル)

グレード1

グレード2

グレード3

グレード4

グレード5

という順番に大会のレベルが設定されていて

グレードが高いほどもらえるポイントも多いです。

 

世界ジュニアランキング

プロと同じく大会で勝ち上がるとITF juniorポイントがもらえて世界ジュニアランクに反映されます。

このランキングで上位200位から300位に入ればグランドスラムジュニア大会出場が見えてきます。

 

簡単に説明すると

直近の1年の中でポイントを獲得した大会の内上位6大会のポイントの合計でランキングが決まります。

ダブルスで獲得したポイントは4分の1にして加算されます。

 

 

どうすれば出場出来るのか

参戦する大会を決める

http://www.itftennis.com/juniors/home.aspx

ITFのサイトでいつどこで大会が開催されているのか探します。

Fact sheetのところをチェックすると、予選、本戦の日程など詳細が分かります。

エントリー

エントリー(申し込み)はITFのサイトからオンラインで行います。

英語ですが指示に従えば出来ます。

しかしエントリーしたから必ず試合に出場できるかは分かりません。

次をしっかり読んで下さい

 

Acceptance list(アクセプタンスリスト)をチェック

ここにその大会にエントリーしたプレーヤーのリストが表示されます。

申し込んだ順ではなく、ITF juniorランキングが高い順に並んでおり、

上から何人までは本戦から出場できます。

さらにそこから何人までは予選から出場できます。

その下(alternates)に名前が並んでいる場合はその時点では出場できません。

申し込みや出場辞退によってリアルタイムでリストは変化するので、

出場できるのかしっかり見極める必要があります。

 

実は大会開始直前にAlternatesに入っていても、Alternatesの中で上の何番目かであれば

試合会場にさえいれば繰り上がりで出場できることも普通にあります。

これは去年の大会の傾向や、コーチの経験で判断するしかありませんが^^;

 

会場にいってサイン

試合が始まる前日にちゃんと会場に来ましたよと証明するためにサイン(署名)という作業があります。そこでサインをしてエントリー料金をはらいます。Factsheetに書いてますが日本円で5000円くらいでその国の通貨か、ドルで払います。

 

試合開始

ここまで出来ればあとは試合です。

試合は基本、シングルスだけなら1日1試合で約1週間掛けて決勝まで行います。

 

その他

海外なら、パスポート、飛行機、ホテル、帯同コーチの手配などが

を準備しないと行けません。

 

 

日本の現状

日本は島国なので、大陸に住む人たちに比べて国境を超えることに大きなハードルを知らず知らずの内に感じている気がします。

 

そして日本は環境面やシステムなどで様々な面で整っていると思います

そのため国内にずっといても、 大会も豊富にあるし全国大会を目指して頑張ることが出来ます。充実していていると何かが足りていないと感じることが少なくなります。

 

すると、誰でも世界に出れることや、国内外を含めて強くなる方法など

自分が見えていない部分に目を向けるチャンスが失われます。

そして気づいたときには時既に遅しになります。

 

一生気づかずに、自分には才能が無かったと思い込みながら死んでいく人もいるかもしれません。

 

まとめ

 テニスでプロになる方法について書きました。

ぼくはテニスを頑張ってきましたがこのシステムに気づいたのは大学でコーチの仕事に関わってからでした。

 

この記事をみて、チャンスがある内に気づいて

少しでもプロテニスプレーヤーを夢見る子供の希望が広がれば嬉しいです。

 

帯同コーチとして活動していますので、何か分からないことがあれば

相談に乗ります。 

足が遅い?フットワークが悪い?まずは身体の使い方と練習法

今回は短距離で速く走る方法についてシェアしたいと思います。

 

今、この記事を書いているのは3月なので、

これから新しい年度が始まり、体育で新体力テストで昨年よりも記録を上げたいと思っている方も多いのではないのでしょうか。

 

スポーツトレーナーの知識、武術の身体の使い方、テニスプレーヤーの分析の経験などを総動員して現時点で一番速いと思う走り方を紹介します。

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photo credit: wuestenigel Start 100m Finale der Herren in London 2017 via photopin (license)

 

 

 

 

まずは 短距離を2つに分割

今回は短距離走のなかでもスタートダッシュと中間疾走に分けて

説明していきたいと思います。

なぜ分類するかというと必要な能力が違うんです。順番に説明していきます。

スタートダッシュ(加速力)

スタートダッシュで重要なことは、加速力を上げることです。

スピード0状態から最高スピードにスムーズに加速することが必要なこの段階では

身体を前に傾けて、上ではなく、いかに前に力を加えられるかがミソです。

具体的な練習方法は次のトピックで解説します。

中間疾走(最高速度)

中間疾走で重要なことはスピードを維持することです。

誰にでも100m走などではこれ以上スピードを上げれないというポイントがあると思います。

そこから無理に加速しようとすると逆に失速することもあるので、

加速した後は加速というよりブレーキをかけないことに意識を置いたほうがいいです。

同じく、具体的には次のトピックで説明します。

 

練習法

スタートダッシュ

ポイント

練習を通してスタートダッシュで意識してほしいポイントは、

  • 倒れ込みと前足からスタート
  • 上ではなく、前に
  • 足だけではなく身体全体を使う意識

の3つが重要です。

細かく言えば他にもありますが、3つに厳選しました。

 

練習法

スタートダッシュの練習法を3つ紹介します。

・1つ目 「倒れ込みと前足からスタート」

立った状態から前に倒れ込み、ギリギリまで倒れたら走り出します。

倒れ込んで前に出した足から地面を押していきます。

youtu.be

 youtu.be

 2つ目「上ではなく、前に」

単純に構えた姿勢からスタートの練習をします。

大事なのは意識するポイントです。

この動画をみて腰の位置をみてほしんですけど、

全く腰が垂直方向に動かず、前方向に水平に移動しています。

このことから同じ腰の高さで、むしろ下に沈みながら(倒れながら)

足を後方に送っていくイメージが良いのではないでしょうか。

youtu.be

 

3 つ目 「足だけではなく身体全体を使う意識」

イメージとしては、この下の絵のようなイメージで使えると

足だけでなく身体全体で走るイメージが湧くと思います。

これを意識してよりスムーズに加速できる走り方を探すと効果的です。

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中間疾走

ポイント

中間疾走での意識ポイントはブレーキをかけないために

  • 身体後ろに足を着く
  • 接地時間を短く
  • 足だけではなく、身体全体を使う意識

というポイントを順番に出来るようにしていってください。

 練習法

1つ目「身体後ろに足を着く」

体の前には足をついていませんよね。

動画のようなイメージで、少しでも身体の後ろで接地するイメージで

着地出来るとブレーキを掛けずに進んでいけます。

youtu.be

 

2つ目「接地時間を短く」

これはバウンディングという練習です。

こんなイメージで一歩一歩、短い接地時間で効率よく地面から力をもらう事が出来ます。

 

www.youtube.com

 

3つ目 「足だけではなく、身体全体を使う意識」

スタートダッシュの所でも言いましたが

肩の下に足が着いている感じで大きく足を使えると良いです。

 

 

 まとめ

以上が、速く走るためのコツでした。

人によって改善スべきところは違うので、全部やる必要はありません。

いいと思った練習はやってみてください。

闇雲に練習するよりも、少し頭をつかうことで練習の質はぐっとあがります。

頑張りましょう。

平昌オリンピックでみたカーリングのトレーニングの難しさ

こんにちは

平昌オリンピック見ましたか?

そだねージャパン、女子カーリングの銅メダルとても感動しました。

 

今回はカーリングを見てて思ったんです。

どんなトレーニングするんだろう

 

カーリングというスポーツはどう考えても身体がガッチリしていて

パワーが凄ければ勝てるという種類のスポーツではありません。

 

テニスもそうなのですが、こうゆう複合的な能力が求められる競技のトレーニングは

単純な競技に比べて、難しいです。

その分練習次第で誰にでもチャンスがあるとも言えますし

そこがまたやりがいがあって面白い部分でもあるんですけどね。

 

テニスもいろんな要素が絡むスポーツなんです。

 

オープンスキル系スポーツ上達の鍵はtop down理論!? - tatennisku’s blog

 

というわけでカーリングのトレーニングについて考えてみたので、

テニスと絡めながら記事を書きます。

 

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 photo credit: Don Voaklander 2017_03_04CanadaWestCurling(31) via photopin (license)

 

 

カーリングの特徴、別名「氷上のチェス」

カーリングは別名、氷上のチェスと言われます。

見ていてもそれくらい頭を使うスポーツだということですね。

 

始めの何投かはシンプルですが、何個もストーンがある状況だと

何手も先を考えて投げないと行けないだろうなという感じますよね!

 

さらに、チェスなら思ったところに置けますけど

その置くための繊細な技術もいるっていうところが

カーリングの面白いところ何でしょうね。

緊迫した場面であんな指先のコントロールすると考えただけで

手が震えてきそうです。笑

 

カーリングはしんどいのか

でも実際、他のスポーツに比べて身体的には楽そうだと思いませんでしたか。

僕も最初はそう思いました。

実際、息が切れているところもあまり映らないし

一般的にスポーツでイメージするしんどさはないのかもしれません。

 

唯一しんどそうだと思うのはあのストーンを投げた後にこする

スイープですね。あれはトレーニングのやりがいがありそうですね。

 

他にも思いつく限りトレーニングできそうな要素を挙げてみます。

 

トレーニングできる要素

  • スイープのスピードをトレーニング
  • ストーンを正確に投げる感覚(正確性)をトレーニング
  • ストーンを投げるのに十分な腕の筋力
  • ストーンを投げる時に蹴り出す足の筋力、
  • 投げる時の姿勢を安定させるための筋力と柔軟性、バランス能力
  • 大きな声を出すトレーニング?

 

ざっとこんな感じですかね

 

意外とトレーニングすることはありそうです。

 

トレーニングメニューを決める時の難しさ

テニスでもそうなんですけど

筋力、筋持久力など筋トレだけしても勝てるわけじゃないです。

 

僕が思うのは

その競技で必要な能力のうち、身体の強さ、身体の使い方という要素は

何割を占めるのか

という部分だと思います。

 

スポンサーもついてるアスリートで1日中競技のために使えるなら

問題では無いですが、

 

マイナースポーツでそういった状況は珍しいと思います。

限られた時間の中で競技能力を高めるためには

何を優先しなければならないのかよく考える必要があります。

 

もしカーリングのトレーナーなったら

 

例えば

実践の技術を担当するコーチ、メンタルのコーチとチームでサポートする時に

優先的に時間を割くべきなのは、筋力トレーニングではなく、プレッシャーを力に変える能力、作戦を立てる能力などでゃないかと思います。

 

筋力トレーニングを疎かにしてもいいということではありませんが、

カーリングの少なくとも競技の練習時間の内、筋力トレーニングの時間が半分を超えることは無いんじゃないんでしょうか。

 

なのでカーリングのトレーナーとして考えることは

以下に少ない時間で効率よく必要な筋力、筋持久力、バランス力などを獲得するか

ということになりそうですね。

 

コーチとしっかり話し合って、

本当に足りない所だけをしっかりトレーニングする。

ぼくならそうゆう方針で、あまりでしゃばり過ぎないように注意することが

カーリングチームのトレーナーにおいて大事なんじゃないかなと思います。

 

わからないけど競技練習ってそんなに出来るの?

もしかしたら、カーリングのコートっていうのかな?競技場が使える時間がめちゃくちゃ少ない可能性もあるかもしれません

練習場所が遠すぎてあんまり行けない選手とか

きっとそんなにコートないですよね。

 

その場合は、トレーニングの時間が必然的に増えることになると考えられるので、

そんな時にトレーナーの力を発揮させてもらえるなら

いかに実際の競技に似たような状況を競技場外で再現できるかを全力で考えて

イデアマンになっていいサポートができそうな気がします。

 

まとめ

カーリングもテニスと一緒で素人目にはわからないけど

やったら分かる地味にしんどい部分がある競技だと思います。

 

トレーニングについて考えることで、少し違った角度から競技の難しさ、面白さを

感じてもらえたらと思って書きましたが伝わりましたでしょうか。

 

では今回はこの辺で。

 

 

 

ギターの練習から考えた運動学習の効率化の方法

今回は運動学習についての記事です。

 

ギターの練習をしていて少し出来るようになってきた時に思ったんですけど

気づくと指が動きを覚えてしまって自動で動く感覚が掴めたんです!

 

これってテニスの技術をやトレーニングを習得する時にも

使えるなと思ったのでシェアさせてください。

 

 

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photo credit: dronepicr Peter Stöger Sörensen Heintz Training 1. Fc Köln via photopin (license)

気づいたきっかけ:ギター練習

ギターのフィンガースタイルの練習

ギターのフィンガースタイルって知ってますか?

ベースラインとメロディーラインを同時に弾くスタイルのことです。

見たほうが早いと思います。これです。

 

youtu.be

 

見てもらったら分かると思いますが、

めちゃくちゃ難しいんです。

 

右手を左手を同時に別々の動きをしなければならず

ブン・チ、ブン・チというベースラインと

メロディーの2つを同時に鳴らすので

  • 右手のベースライン
  • 左手のベースライン
  • 右手のメロディーライン
  • 左手のメロディーライン

の4つのことを同時に処理する必要があります。

 

正直言って無理、不可能だと思いました。

でも練習したら出来るようになったんです。

 

習得までのプロセス

どんな感じで練習したかというと

 

まずはいきなり全部を同時に練習していこうと

思ったんですけど、出来なすぎて諦めました。

 

そこで、

  1. 上で書いた4つを分けて一つ一つの動きをなんとなく覚えました。
  2. 次に、ベースのどのタイミングでメロディーのどの音を弾くのかを覚えました。

 

以上です。

やった事はこれだけなんですけど、

ポイントはその組み合わせ方です。

 

1.の4つのそれぞれのパートを覚えるのはそこそこにしておき、

それぞれのパートの1音だけでも覚えたら

2.の同じタイミングで鳴らす音を確認しながら練習していきました。

 

つまり、

あまり分割しすぎず、できるだけ実際の完成形に近付けながらながら練習した

ということです。

 

ぼくの感覚としては、実際に近い複雑な早い段階で練習を取り入れることによって

全ての動きを意識しきれない状況下での練習を余儀なくされます。

 

そのことによって覚えたことが無意識的に出るようにする練習が

効率良く出来たんじゃないかと思ったんです。

 

テニスにどうやって落とし込むか

ここで応用できないとテニスでは使えません。

ギターの練習から学んだことの本質は、

いかに効率よく無意識下の動きに落とし込むか

です。

 

具体的な例

例を出して考えてみましょう。

  1. テニスのフォアハンドのテイクバックで、ラケットを準備するタイミングが遅い

という課題を抱えているとします。

そしてもう一つ、

    2.  手打ちになってしまっていて下半身の力を使えていない。

という課題も抱えているとします。

 

取り組んでいる現在の状況というのは

テイクバックのタイミングが遅いことの課題から取り組んでいて

選手とのコミュニケーションで課題は共有しています。

そして素振りでも出来る。球出し練習でも出来る。ラリーでもほぼ出来る。

しかし、試合になると出来ない。

 

という状況だとします。

意識下には出来るが、無意識下では出来ないという段階ですね。

 

こんな時に活躍するのがギター理論?です!

 これにギター理論を応用

試合ではまだ出来てないから

ラリーや球出しで反復練習してしっかり身体に覚えさせましょう。

となってはいけません。

 

これでは練習のプロ、練プロになってしまいます。(ギター理論では)

 

じゃあどうすればいいのか

 

ここで出来ていないのにも関わらず

2つ目の課題に積極的に取り組みます。

他の課題と関係ない練習をしてもいいです。

 

注意することはその1つ目とは関係ない練習をする前に

必ず1分でも1つ目に集中する練習 or トレーニングで動きを思い出してもらいます。

 

これでさり気なく意識付けしつつ、

無意識下での動きの練習が出来るっていう訳ですね。 

 

感覚的な難易度は、

少し調節しながら難しすぎず、簡単すぎず

意識する余地がギリギリ無いくらいに設定できればベストだと思います。

 

難しすぎると先に精神的にしんどくなる気がします。

 

科学的な研究

科学的にも色々と研究されています。専門用語満載の論文が出てきますが、

「運動学習」で検索してみてください。

 

 

どのように運動を学んでいくべきか?運動学習の基本 | フットボールノコトバ。

この方の話は運動学習の基本が分かりやすく書いてありました。

 

こちらのブログでは失敗を恐れてはいけないと書いてありました。

この言葉は僕が今回気づいたギターでの体験と共通する部分があるのかなと

感じました。

 

まとめ

というわけでギターの練習で気づいた運動学習の効率についてでした。

 

名選手、名コーチ(監督)にあらずという言葉があるように、

その人が出来るからと言って人に伝えることが出来るかは別なわけです。

 

今回の記事のような、伝え方が上手くいかないと

どんなに正しいことだとしても伝えることが難しくなります。

 

逆にこの伝え方だけ上手いと

正しくないことも正しく見せることが出来てしまいます。

そうゆう悪い人になるくらいなら、

伝え方なんて下手な方がいいと思うこともありますが

 

自分の情報、技術が誰かのためになる、参考になる有益な情報だと本気で思うなら

伝え方も考えないといけませんね。

スペインのフットサルチームはウォームアップしない

この記事では、

スペインのフットサルチーム、サッカーチームの練習環境をトレーナー研修として

見学した時に感じたことについて書きたいと思います。

 

目次

 

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photo credit: San Diego Shooter La Pulga via photopin (license)

 

スペインでみた光景

1番驚いたことは、タイトルにもあるように、

スペインのフットサルチームはアップをしない(ちょっと大げさ)ということです。

正確に言うと僕がみた光景は、ウォームアップでいきなり試合をしてました。

 

スペインのフットサルチームと言ってもただのフットサルチームではありません。

あの有名なFC◯◯◯◯ナのフットサルチームで

監督、コーチ、SCコーチ、フィジオ、ドクターまでスタッフは揃っています。

 

スペイン人は適当だからアップなんか考えない

ではなく、

しっかりとそれらのスタッフで考えた結果このウォームアップという結論に

至っているのです。

 

日本人の感覚

日本の常識だと、

  • まずは準備体操してから
  • 基礎的な練習をして
  • 応用練習して
  • 最後に試合

っていう感覚ないですか?

少なくとも僕は何事も順番にという感覚で物事をみてしまうクセがあると感じるのですが、

日本人は指導者も選手もみんなこの感覚を持っているんじゃないでしょうか。

違ったらすみません。

 

ケガのリスクを最小限に留めるためにという理由でウォームアップがあったり

基礎が身についてからじゃないと応用もクソもないという

考え方に基づくとするなら、準備体操から入るのが自然ですよね。

 

ところがスペイン人の考え方は違ったんです。

スペイン人の考え方

ウォームアップでいきなり試合をするのはなぜかと

チームのSCコーチに対して質問しました。

 

そのコーチの答えは

「ウォームアップで大事なのは身体のの準備をすることだけではなく、

心のウォームアップと、常にボールを触りながら行うことだ。」

 とのことでした。

 

スペイン人の考えを日本人が解釈

心のウォームアップ

僕なりの解釈を合わせて解説すると

心のウォームアップとは、やる気スイッチをオンにする作業のことだと思います。

特にフットサルはチームスポーツであり、温度差のない、チームワークの伴ったモチベーションが必要です。

 

そのために試合を行うという作業は、勝負の世界へ自然に気持ちを入れることが出来るので効果的なんだと解釈しました。

 

実際、選手たちもそのことを理解した上でウォームアップとしての試合を行っているようで、初めは笑顔も見せながら比較的ゆっくりとボールを回し、徐々に後半にかけて真剣な表情に変わっていき、試合のレベルも、気づくとハイレベルになっているという印象でした。

 

これが心のアップということなんですね。

 

ボールを触りながらウォームアップ

常にボールを触りながらウォームアップを行うというのを解説すると

試合をしたり、ただのストレッチやジャンプもパス練習をしながらや、

ドリブルと組み合わせたりして行うということです。

 

常に本番の試合で使う能力を意識するという考え方が現れているのかなと

思いました。

 

例えば、ドリブルの能力をスペイン人と日本人が考えた時に

 

スペイン人は、

ドリブルしながら、走る能力

ドリブルしながら、味方、敵を見る能力

ドリブルからシュートする能力

 

という分け方で考えてそうな気がします。

スペイン人に言わせればこれがドリブル力なんだと思います。

(予想です。僕日本人なんで)

 

対して日本人は、

走る能力

周りを見る周辺視野

シュート能力

 

それを合わせたらドリブル力になるという考え方をしている気がします。

 

学んだこと

僕としては日本人は単純に分解しすぎ

という印象です。

 

 こちらの記事でも同じようなことを書いています。

tatennisku.hatenablog.com

 

人の身体は頭でパッと理解できるほど単純な動きをするわけでなく、

さらにテニス、サッカーなどのオープンスキル系スポーツは、

相手の動きに対応して行動を選択しなければ行けません。

 

そのような複雑な動きは意識的していてはどうしても処理しきれないと思います。

無意識的に身体が反応するように持っていくことは、

重要視されるべきなのでは無いでしょうか。

 

なので、

1つ1つの動きを取り出して練習することは大事ですが、

それはほどほどにしておいて

最低でも2つ何かと何かを組み合わせた練習をするのが良いのではと思いました。

 

そうすることで

嫌でも無意識的に処理せざるおえない要素を入れるとスペインサッカーのような

本番で力が出せる力が育つんじゃないでしょうか。

 

 

 

テニスのトッププロのスイングの男女比較

こんにちは

 今回はテニスの男子と女子のスイングの違いについて書きたいと思います。

 考察なので、僕自身も答えを持ってるわけではありませんが

1人のS&Cトレーナーはこんな所に注目してみました

という着眼点を共有したいと思います。

 

目次

 

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 photo credit: Marianne Bevis IMG_2880 via photopin (license)

考察のテーマ

まず考察のテーマは何かといいますと

前腕の回内のタイミングが男子に比べて女子が遅い現象があります。
それを女子は修正するべきなのかという点です。

 

男女の戦術的特徴

もちろん個人差はありますが戦術的特徴からいうと

男子テニスの特徴

男子の方は

スピン系のボールを使い、安易にコーナーをつくというよりは

リスクと効果を考えながら展開していく印象があります。

 

考えられる要因としては、

  • 安易に攻撃するとスキが生まれてカウンターを食らってしまう
  • 両選手とも脚力があるので、何球かのコンビネーションを使わないとウィナーが取れない。

というのがあると思います。

女子選手の特徴

女子の方は

フラット系のボールを主体に使うというのがまず印象です。

ラリーも男子と同じかそれ以上に速いペースで打ち合い

先にコーナーにぶちこんでいくという風にみえます。

 

考えられる要因としては

  • 筋力不足でスピンをかける余力がない
  • スピンをかける技術がない(男子に比べて)
  • 先にフラットでぶち込めばそれが決まる(脚力などの問題)
  • 女子の性格的な問題(相手より先に攻めたい)

などでしょうか

 

これが現在のテニス界(プロ)の主流になっています。

何かしらの要因で、テニスのルールは同じなのに

戦略にも男女差が生まれているんですが

今回はスピン量に関わる打ち方について掘り下げます

 

男女のフォームの違い

具体的な例を示します。

Youtubeでわかりやすい動画を見つけたので

動画を順番にみながら説明を読んでいただければと思います。

 男子のフォーム

男子選手から見ていきます。

まずは生きてる教科書、フェデラーをみてください

インパクト前後で前腕(肘から先)がスムーズに回転(プロネーション,内旋)しながらヒットしています。(意図的にではなく、自然な動き)

結果として、

インパクト直後からラケットの面が常に相手の方を向いているのが分かりますか

動画では0:56〜1:21のところが分かりやすいと思います。

比べると分かりやすいので、女子選手を先に見ても良いかもしれません。

www.youtube.com

 

次はジョコビッチです。

この動画では0:04〜0:10の間でチェック出来ます。

インパクトからラケットの面が常に相手の方(遠心力で下に向きますが)を向きます。

www.youtube.com

 

女子選手

女子選手みてみます。

基本的に男子と比べて話をしますが、

シャラポワは、インパクト後のラケットの面が、

画面の奥の方に向いています。

この動画では、相手は画面右方向にいるので、

男子とは違いますよね。

ラケットの面から考えて、前腕(肘から先)を回転(プロネーション)させずに

どちらかと言うと手首のスナップはなしでそのまま押し出すような形で

腕が動いているはずです。

www.youtube.com

 

次はアザレンカ

アザレンカもシャラポワに引き続きフラット系の選手です。

1:26〜1:56を観ると

シャラポワよりもボールを前に押し出している感が強いですが

男子選手に比べると面の向きが相手の方ではなく、画面の奥を向いているのが

分かると思います。

www.youtube.com

 

この違いがスピン量を決めている説検証

僕はこのスイングの違いはスピン量に影響を与えていると考えます。

またフェデラーに戻って

次はフェデラーのポジションが後ろの時のショットです。

きっとスピンも必要だが

それよりもフラットに当てて長い距離を飛ばさなくてはいけない

状況だと思います。

0:45くらいから見てみてみると

インパクト後から少し面が相手のいる向きからずれています。

少なくとも最初のフェデラーの動画とは大きく違います。

www.youtube.com

 男子も全てのショットでプロネーションを使っているわけではないようですね。

 

女子選手筋力不足説、検証

セレナ ウィリアムズ選手は筋力的には問題ない女子選手の1人でしょう。

 この動画の場面では、サイドに走らされてディフェンスをするべき場面、

つまりスピンをかけなければいけない場面であるといえます。

とりあえずみてください。

www.youtube.com

そして、

みてみるとラケットは相手の方を向いていて

しっかりとスピンをかけることが出来ているようにみえます。

 

ということは女子選手でも筋力はあればスピンをかけたいが

筋力不足で出来ない可能性もあるということですね。

 

ここでセレナがフラットショットを打ってしまっていた場合は

筋力的な問題を否定するエビデンスの一つ(あくまで一つ)になりましたが

違いました。

 

これ以上推測しても、世界のトップの女子選手に直接聞かないと実際のところは分かりませんのでここら辺でこの記事は止めておきます。

またトップ選手やコーチと話す機会があれば聞いてみます。

まとめ

  • 男子のスイングは、インパクト前後でプロネーションがしっかり効いているのでスピンが良くかかっている。
  • 女子のスイングは、インパクト後にプロネーションしているのでフラットになる。(故意かどうかは不明)

 

 

僕が、どんなことを考えているかだけでも理解してもらえましたか。

これは正解がある問題ではなく、これからテニスも進歩する中で時代によって変わってゆくことの一つだと思いますが、自分なりの答えが出るまでまだ時間は掛かりそうです。

意見があれば教えて下さい。

スポーツトレーナーなんて職業は要らない(編集中)

今日はトレーナーって何なのか考えたいと思います。

この記事はグダグタすぎるので、イライラしない自信がある方だけみてください。

 

追記(10/11)

この記事ではトレーナーは選手の環境によっては要らないんじゃないのかと疑問を持ったことに対して考え方を述べましたが

いろんな人のブログなどの意見を参考にさせていただき考えまくった結果、やっぱりトレーナー必要だと思って来たのでスポーツトレーナーっていう職業は必要だという記事を近いうちに書こうと思います。

 

目次

 

トレーナー、トレーニングは必要派の意見

最近、スポーツ選手や一般の方にもパーソナルトレーナーが着いていることがあります。トレーナーがポピュラーになってきた印象を受けます。

 

他のスポーツでもそうだと思いますが、

テニス界でも年々競技レベルが向上していて、オンコートで練習するだけでは

勝てなくなってきています。

それぞれの選手がメンタルトレーナー、フィジカルトレーナー、栄養士などコーチ以外のサポートスタッフにも価値を見出し、チームで戦っています。

 

日本では少子高齢化社会で特に健康に対して関心が高くなり

国としても病気になる前の予防に力を入れる方針で動いています。

その予防に運動も含まれています。

 

そのこともありトレーナーを含む、健康についての知識を持った人の

需要が上がってきているは事実だと思います。

 

レーニング、トレーナーは要らない派の意見

しかし

周りに流されて、トレーナー、トレーニングが必要なんだと

思っている人も多いんじゃないでしょうか。

 

日本では少数派だと思いますが、トレーニング否定派の人もいます。

例えば、

体操の内村航平選手は筋トレのような運動は一切しないというのを

テレビで聞いたことがあります。

理由は競技で必要な筋肉は競技練習をしていれば自然に鍛えられるから

だそうです。

 

たしかにそれが最も効率がいいと考えることも出来ますよね。

実際それで世界No.1だし。

 

イチロー選手もトレーニングはしますが、

増量を目的としたようなウェイトトレーニングは要らないと

取材で言っていたのを聞いたことがあります。

(イチローは筋トレしていないかもしれませんが、めっちゃ体格いいです)

 

テニス界の話をすると

テニス競技者には大体コーチがいます。

いままで日本では特にコーチがコート上で

レーニングなども含めて、テニスに必要なスキルを提供していました。

トレーナーの仕事をコーチが兼ねている感じです。

今でもそういう現場は少なくないと思います。

そして痛みが出たりケガをしたら、整形外科、接骨院に行くという形です。

 

もちろんこのシステムに課題、改善点はあると思いますが

日本の多くのテニス現場ではトレーナーなしで今まで成り立って来たのです。

 

この状況でトレーナーが介入すると、

コーチは仕事を取られることになるのであまりいい気分はしないでしょう。

 

選手目線からみても

今までコーチがしてくれていたことを、

どうしてもう一人雇わないと行けないんだと思う人もいるんじゃないでしょうか。

トレーナーが提供しているもの

基本的にトレーナーの役割というのは

身体のパフォーマンスを上げることだと思います。

パフォーマンスアップにケガ予防、ケガの治療 を含めます。

 

具体的に言えば

  • 疲労した身体をケアするマッサージ
  • 疲労を最小限に留めるクールダウン
  • ケガ予防、ベストパフォーマンスのためのウォームアップ
  • 身体の使い方をうまくするトレーニン
  • ジムで行うような、筋肉の出力や持久力を上げるトレーニン
  • 競技の特異性に合わせた効率的な動きを獲得するトレーニン

というところですかね。

 

そして

ジュニアの場合はトレーニングを通じた人間的な成長なども考えた

教育的側面もあるのではないでしょうか。

この専門以外の大人としての責任的な部分は日本特有かもしれませんが。

 

トレーナーの価値、役割

僕がテニスのS&Cコーチなので

テニスにおいてのトレーナーの価値、役割という話になってしまいますが

ご了承ください。

 

テニスにおいて

レーニングをして、トレーニング効果が出たからといって

試合で結果に結びつくとは限りません。

 

他の競技と比べても、テニスは総合力が問われるスポーツのため

トレーナーの役割も筋力を上げる、持久力を上げることだけでは、

力不足になってしまいます。

 

筋トレの方法、ストレッチの方法が教えられるだけでは

テニスの競技能力におけるトレーナーの担う割合が少なすぎる。

ので仕事として成り立つのか?と思います。

 

ただでさえテニスは道具を揃えるだけでもお金がかかるスポーツで、

プロを目指すためにITFに参戦し、ジュニアの頃から海外遠征に行くと

さらにお金がかかります。

 

  • 道具にかける費用
  • 試合にかける費用
  • 遠征にかける費用
  • コーチにかける費用
  • トレーナーにかける費用
  • 食事にかける費用

 

一般家庭で全部に

満足にお金をかけることは困難では無いでしょうか。

 

このようにお金ばかりかかるように思うテニス環境で

 

自分がトレーナーとしての価値があるからという理由で

高い料金を支払ってもらってトレーニング教えることは

選手にとって良いことなのでしょうか

 

もし僕などのトレーナーを雇わなければ

そのお金で海外遠征などに使うこともできるでしょう。

 

その選手によってサポートを受ける優先順位は違うと思うので

他の要素と相対的に見て、トレーナーを雇うべきかは変わって来るように思います。

 

費用の問題はお金持ちのご家庭であればさほど問題ではないと思います。

しかし、お金がある家庭の子にばかりチャンスが回ってくる

そんな環境はあまり好きではありません。

どんな子にもやる気がある子には強くなれるチャンスがある。

そんな環境をつくりたいです。

 

自分がボランティアですればいい話なのかもしれませんけど、

自分もしっかりと価値あるものを提供した場合には

それに見合った報酬がほしい。

 

トレーナーの価値がテニスコーチを超えることはあるのか

もしトレーナーが身体の使い方という面で

テニスの技術をテニスコーチよりもしっかり教えられて、

オフコートのトレーニングももちろん専門分野で教えられて、

試合や練習でも疲労のケアや、ケガ予防のテーピングなども出来て

栄養管理、体調管理などの知識も持っていた場合

 

残りのテニスコーチの仕事は

戦い方、つまり戦略の部分のみ

 

となった場合これからのテニス界において

テニスのサポートスタッフのなかでコーチよりも先に

トレーナーを雇う選手が出てきても面白いかもと思いませんか。

 

まとめ

料金設定に迷い始めたことがこの記事を書き始めたきっかけです

自分の価値をしっかりを見極めることが適切な料金を提示するために重要だと

思います。答えは無いのかもしれませんが選手のために真剣に考えれているがゆえの悩みでもあると思うのでしばらく迷いたいと思います。

今よりベターなアイデアを。

 

自分の中でも結論が出ていないことなので

どう頑張ってもまとまりません。

が、とりあえず公開しておいて

またちょこちょこ更新したいとおもいます。