ギターの練習から考えた運動学習の効率化の方法

今回は運動学習についての記事です。

 

ギターの練習をしていて少し出来るようになってきた時に思ったんですけど

気づくと指が動きを覚えてしまって自動で動く感覚が掴めたんです!

 

これってテニスの技術をやトレーニングを習得する時にも

使えるなと思ったのでシェアさせてください。

 

 

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photo credit: dronepicr Peter Stöger Sörensen Heintz Training 1. Fc Köln via photopin (license)

気づいたきっかけ:ギター練習

ギターのフィンガースタイルの練習

ギターのフィンガースタイルって知ってますか?

ベースラインとメロディーラインを同時に弾くスタイルのことです。

見たほうが早いと思います。これです。

 

youtu.be

 

見てもらったら分かると思いますが、

めちゃくちゃ難しいんです。

 

右手を左手を同時に別々の動きをしなければならず

ブン・チ、ブン・チというベースラインと

メロディーの2つを同時に鳴らすので

  • 右手のベースライン
  • 左手のベースライン
  • 右手のメロディーライン
  • 左手のメロディーライン

の4つのことを同時に処理する必要があります。

 

正直言って無理、不可能だと思いました。

でも練習したら出来るようになったんです。

 

習得までのプロセス

どんな感じで練習したかというと

 

まずはいきなり全部を同時に練習していこうと

思ったんですけど、出来なすぎて諦めました。

 

そこで、

  1. 上で書いた4つを分けて一つ一つの動きをなんとなく覚えました。
  2. 次に、ベースのどのタイミングでメロディーのどの音を弾くのかを覚えました。

 

以上です。

やった事はこれだけなんですけど、

ポイントはその組み合わせ方です。

 

1.の4つのそれぞれのパートを覚えるのはそこそこにしておき、

それぞれのパートの1音だけでも覚えたら

2.の同じタイミングで鳴らす音を確認しながら練習していきました。

 

つまり、

あまり分割しすぎず、できるだけ実際の完成形に近付けながらながら練習した

ということです。

 

ぼくの感覚としては、実際に近い複雑な早い段階で練習を取り入れることによって

全ての動きを意識しきれない状況下での練習を余儀なくされます。

 

そのことによって覚えたことが無意識的に出るようにする練習が

効率良く出来たんじゃないかと思ったんです。

 

テニスにどうやって落とし込むか

ここで応用できないとテニスでは使えません。

ギターの練習から学んだことの本質は、

いかに効率よく無意識下の動きに落とし込むか

です。

 

具体的な例

例を出して考えてみましょう。

  1. テニスのフォアハンドのテイクバックで、ラケットを準備するタイミングが遅い

という課題を抱えているとします。

そしてもう一つ、

    2.  手打ちになってしまっていて下半身の力を使えていない。

という課題も抱えているとします。

 

取り組んでいる現在の状況というのは

テイクバックのタイミングが遅いことの課題から取り組んでいて

選手とのコミュニケーションで課題は共有しています。

そして素振りでも出来る。球出し練習でも出来る。ラリーでもほぼ出来る。

しかし、試合になると出来ない。

 

という状況だとします。

意識下には出来るが、無意識下では出来ないという段階ですね。

 

こんな時に活躍するのがギター理論?です!

 これにギター理論を応用

試合ではまだ出来てないから

ラリーや球出しで反復練習してしっかり身体に覚えさせましょう。

となってはいけません。

 

これでは練習のプロ、練プロになってしまいます。(ギター理論では)

 

じゃあどうすればいいのか

 

ここで出来ていないのにも関わらず

2つ目の課題に積極的に取り組みます。

他の課題と関係ない練習をしてもいいです。

 

注意することはその1つ目とは関係ない練習をする前に

必ず1分でも1つ目に集中する練習 or トレーニングで動きを思い出してもらいます。

 

これでさり気なく意識付けしつつ、

無意識下での動きの練習が出来るっていう訳ですね。 

 

感覚的な難易度は、

少し調節しながら難しすぎず、簡単すぎず

意識する余地がギリギリ無いくらいに設定できればベストだと思います。

 

難しすぎると先に精神的にしんどくなる気がします。

 

科学的な研究

科学的にも色々と研究されています。専門用語満載の論文が出てきますが、

「運動学習」で検索してみてください。

 

 

どのように運動を学んでいくべきか?運動学習の基本 | フットボールノコトバ。

この方の話は運動学習の基本が分かりやすく書いてありました。

 

こちらのブログでは失敗を恐れてはいけないと書いてありました。

この言葉は僕が今回気づいたギターでの体験と共通する部分があるのかなと

感じました。

 

まとめ

というわけでギターの練習で気づいた運動学習の効率についてでした。

 

名選手、名コーチ(監督)にあらずという言葉があるように、

その人が出来るからと言って人に伝えることが出来るかは別なわけです。

 

今回の記事のような、伝え方が上手くいかないと

どんなに正しいことだとしても伝えることが難しくなります。

 

逆にこの伝え方だけ上手いと

正しくないことも正しく見せることが出来てしまいます。

そうゆう悪い人になるくらいなら、

伝え方なんて下手な方がいいと思うこともありますが

 

自分の情報、技術が誰かのためになる、参考になる有益な情報だと本気で思うなら

伝え方も考えないといけませんね。