脂肪燃焼(ダイエット)には低強度の運動がいい?いやそんなことない
痩せたいとき、減量したい時は有酸素運動がいいと思っていませんか。
今回はそんなこともないですよっていう話です。
目次
運動の種類によるエネルギーの使われ方
まず人間の身体の中には主に3種類のエネルギー供給方法がありまして、
高強度運動(ジャンプや短距離走)では、ATP-PC系
中強度運動(短距離走や30秒ほどで終わる運動)では、解糖系
という具合に運動強度によって上手く身体が調節してくれています。
詳しくはこの方のブログでわかりやすく書かれています。
続きまして、上に書いた三種類のエネルギー供給系の内、
低強度運動の際に動員される酸化系というのが、
一般的に有酸素運動と呼ばれているものです。
スイッチのようにパチっと切り替わるわけではない
トレーニングのテキストなどでは
ATP-PC系は数秒で枯渇し、解糖系は30秒程度で枯渇して〜
という感じで書いているので
順番に使い切ったら次のエネルギー供給系に行くようにも思えます。
しかし、実際にはそんなことはなく、
あくまでも最初はATP-PC系の割合が高いというだけです。
解糖系も酸化系も立ち上がりがおそいため初めは目立ちませんが
動員されているんです。
CS-netこちらのサイトの図を見てもらえるとわかりやすいと
思います。
ランニングのような低強度運動なしでも痩せれる?
photo credit: marcoverch Brucker Patrick, Hofman Martijn, Hähnle-Pohl Veronica Clio, Thaeter Mathias, Weichsel Felix - Köln Marathon 2017 via photopin (license)
例えば、
100m走などの短距走は無酸素運動とされます。
確かにその通りですが、走り終わったあとは息が切れますよね?
ということは呼吸が必要→酸素が必要→有酸素運動→酸化系→脂質代謝
有酸素運動の面もあるということです。
痩せるためのエクササイズで
ビリーズブートキャンプや、エアロビ、TABATAプロトコルなど
無酸素運動を組み合わせることで
無酸素と有酸素、両方の運動の側面を持つ運動もありますね。
目的別に運動を選ぶ
どんな運動がいいのかは、その目的が決まれば答えは出ると思います。
例えばテニス競技者なら
基本的に競技中はダッシュとストップの繰り返しで、
ゆっくり動くことはないですよね。
なので
有酸素能力を高めたい時も長距離走ではなく、
ダッシュを短い休憩で繰り返したりする運動が
競技力アップも含めて効率がいいと思います。
ケガからの復帰直後や、膝、腰などに痛みがある場合は、
運動の中でも負荷が少ない、一定の速度でゆっくり走るランニングなどが
いいと思います。
まとめ
今回メインで伝えたかったことは、
低強度運動だけが脂肪を燃焼させるわけではない
ということです。知っているようで意外と勘違いしている人が多い内容だと思って共有してみました。
トレーニングをされている方などは参考にしてもらえれば嬉しいです。
ちょっと脱線(指導者として)
研究レベルや勉強する時、運動種類などを分類して分かりやすくすることは
必要なことなのかもしれませんが、
分かりやすくするために省いてしまう内容も少なからずあるということです。
特に、人間の体は様々な要素が絡み合って動いているので
言葉にするとなかなかすべてを上手くは伝えにくい分野だと思います。
今回のトピックは特に指導者として
分かりやすく、かつ正しい情報を伝えるように意識しなければならないポイント
だと思いました。がんばります。
*1:専門的には酸素負債とか言います。