テーピングの効果はどれくらい持続するのか
こんにちは
今回はテーピングについての知識をシェアしたいと思います。
みなさんはテーピングやサポーターをしたことはありますか?
スポーツをしている方は捻挫などで使ったことがある方も少ないのではないと思います。
しかしテーピングにも貼ってから剥がすまで固定力が続くわけではないのはご存知ですか?
いくつかテーピングの持続時間についての論文を探してきたので紹介します。
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テーピング(非伸縮)とサポーターの効果持続時間について
バスケットボール選手を対象に足首のテーピング、サポーターの効果持続時間について研究した論文があります。
・運動時間が経過するほど、テーピング(非伸縮)、サポーターの固定力はどんどん弱まっていく。
・テーピング(非伸縮)とサポーターの持続時間は30分から40分ほどの運動後でも何もしない場合を比べて固定力はあったという研究が多い。
・装着直後はテーピングの方が固定力は高いが時間が経過すると、その固定力は同じになっていた。
テーピング、サポーターを着けてからの時間による固定力の変化は
運動直後の固定力 テーピング>サポーター
10分から20分の運動後 テーピング=サポーター
という感じです。
現場での応用
・短い時間で瞬発的な運動を行う場合にはサポーターよりテーピングを使った方がいい。
・競技時間が長い場合は、サポーターの方がいいである。
・経済面の問題がないならテーピングは40分くらいで巻き直すと高い効果が持続する。
伸縮テープについて
キネシオテープなどの伸縮テープについては別で考える必要があります。
キネシオテープの様々な先行研究では
・スポーツではない日常の痛みではテーピングによる痛みの軽減がみられ、それは1日から4日ほど持続することが示されている。
・太ももにテーピングをして実験した研究では24時間から72時間、効果が持続して
24時間の時点が最も効果が高かったと報告しています。
運動中の効果を研究したものでは、
伸縮テープを足首に貼付し、サッカーのインステップキックを繰り返し行った研究があります。
運動前、50回キック反復後、100回キック反復後で可動域を測定した結果は
・50回キック反復後に貼付なしと同等程度の可動域まで固定力が下がった。
・100回反復後は50回反復後と可動域はほぼ変わらなかった。
というものでした。
現場での応用
・伸縮テーピングも効果はありますが、持続時間に限界があることを知っておく必要がある。
・マッサージや治療を行ってもらったあとの治療効果を長持ちさせるためや、日常生活の痛みを軽減させる効果は4日ほど持続するが、スポーツなど激しい動きをする場合には比較的速いタイミングで効果は泣くなる。
まとめ
・短い時間で瞬発的な動きをするときには、非伸縮テーピングで!
・比較的長い時間スポーツを行ったり、長い期間の固定が必要な場合はサポーター
・伸縮テープにも効果の持続時間に限界があり、日常生活では約4日まででスポーツでは比較的短い時間で効果はなくなる。
参考文献
大網華奈, 木葉一総, & 藤田英二. (2015). 女子バスケットボール選手での競技動作を模した運動時における足関節テーピングの持続性について.
加藤茂幸, & 佐藤三矢. (2007). バスケットボール競技における足関節テーピング及び装具の制動力の持続性について. 吉備国際大学保健科学部研究紀要, (12), 45-49.
佐藤正裕. (2003). 足関節内反捻挫予防のテーピングおよび足関節装具の固定力の持続性について. 北里理学療法学, 6, 73-76.
吉田一也. (2012). キネシオテーピング® の理論と基本貼付法. 理学療法科学, 27(2), 239-245.
Fu TC, Wong AM, Pei YC, et al.: Effect of Kinesio taping
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笹代純平, 浦辺幸夫, 前田慶明, 篠原博, 藤井絵里, 高井聡志, & 森山信彰. (2012). インステップキックの反復による足関節底屈制限のテーピングの持続効果. In 理学療法学 Supplement Vol. 39 Suppl. No. 2 (第 47 回日本理学療法学術大会 抄録集) (pp. Cb1393-Cb1393). 公益社団法人 日本理学療法士協会.