時間がないならストレッチはしなくていい ストレッチ3:筋トレと可動性トレーニングで柔軟性向上
ストレッチシリーズの第3弾です。
第二弾まででストレッチはケガ予防になるかも定かではなく、ストレッチの即時的な効果はわずか6分程度しか持続しないことも紹介しました。
また長期的な(最低4週間)ストレッチは柔軟性を増大させることが分かりましたが、まず柔軟性が上がるとパフォーマンスが上がるのかという問題が明らかでないとストレッチをする意味がなくなったり、悪影響である場合でさえあります。
実際に柔軟性がありすぎるとケガが増えたり、柔らかさを安定させるために筋力が使われて運動効率が落ちるということも分かっています。
今回は、今まで紹介してきたいろいろな情報を含めて
具体的にどう現場に落とし込むのかという所に焦点をおいて説明していきたいと思います。
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ストレッチの悪影響
柔軟性があるとケガが増え、パフォーマンスが落ちる
一般的に柔軟性があると関節のキャパが増えてケガが予防できると考えることが出来ます。しかし柔軟性が高まりすぎると運動中に越えては行けない可動域を使ってしまい関節への負担が増えてケガの受傷率が増えてしまうということがあります。
必要な柔軟性は競技によります。柔軟性が必要な競技の例として、体操があります。
体操は柔軟性があることでなめらかな動きや驚異的な体制での動きを行うことができます。
柔軟性が低いほうがいい場合を挙げるなら、ランナーは柔軟性が低いほうが硬さが反発力となり、効率的な走りが出来ます。
最大可動域を使う筋トレで可動域は上昇する
筋トレをすれば柔軟性は低下すると考えている方も多いと思いますが、筋トレをすれば関節可動域は向上します。関節可動域全体を使った筋トレを行なった場合に関節可動域が維持、改善されたという研究があります。
ストレッチをするより最大可動域を筋トレをしたほうが柔軟性が改善されるということではありません。だた筋トレで柔軟性が制限されることはないことが分かったということです。
柔軟性を改善したいが、筋トレ、練習もしなければならずなかなかストレッチに時間が取れないという時には筋トレの中に最大可動域を使う筋トレを組み込むと問題が解決するかもしれませんね。
ジュニアにはストレッチではなく、ファンクショナルトレーニングで可動域UP
上の話と重なる部分もありますが、ストレッチは結構時間を取られます。日中は学校に通っているジュニアがほとんどで、学校の部活でスポーツしている方はストレッチをする時間がないと思っている方も少ないと思います。柔軟性も大切ですが、もちろん競技練習をしたほうがパフォーマンスが上がる可能性は高いですよね。
そんな時はウォームアップなどで可動域を大きく使ったファンクショナルトレーニングを行うことで可動域を高め、新しい動きを学ぶことで身体を思い通りに動かせる様になり、ファンクショナルな動きを学べば効率の良い体の使い方も分かるのでおすすめです。
実践編
ウォームアップは大筋群とダイナミックストレッチと競技特異的トレーニング
ウォームアップは周りと差をつけるチャンスです。多くの人はウォームアップはランニングをしてストレッチをしないと行けないと考えています。しかし実際は身体を温めることが出来ればそれでいいのです。そのことが分かればウォームアップの選択肢は広がりますよね。
例えばランニングの代わりに鬼ごっこをすることで、反応を鍛えるトレーニングも兼ねることができますよね。
ダイナミックストレッチも一般的なものから、競技で使う動きを行えばウォームアップしながら競技練習も出来すよね。
実際スペインのフットサルチームはウォームアップでミニゲームを行なっていました。
研究によると
2〜3分間大筋群を使う運動(ランニング,鬼ごっこ)を行い、そこから競技の動きを使ってのストレッチを行い、競技特異的なスキルを取り入れていくのがよいとされています。
またウォームアップ後15分以内にスポーツを開始出来るようにした方がいいです。
クールダウンは軽いランと気持ちを落ち着けるための静的ストレッチ
クールダウンは身体と気持ちを落ち着けて、スイッチオフに持っていくことが必要なので、まずは軽いランニングで軽く血流を良くしながら運動強度を下げていきます。その後時間があれば静的ストレッチで疲労が溜まった部分、改善したい部分をケアするのが良いでしょう。
ぜひストレッチ、ウォームアップ、クールダウンを見直してみてください。
参考文献
NSCA japan 資料集 ストレッチング